低出生体重児はなぜ生まれてしまうの?

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このページの監修について
妊婦さんに正しい知識を持って安全な旅行を楽しんで頂くため、婦人科の専門医である成城松村クリニック院長 松村圭子先生に監修して頂いています。

低出生体重児とは、生まれたときの体重が2500g未満の赤ちゃんのこと。低出生体重児で生まれた多くは早産です。そのため早産を防ぐ意味でも、低出生体重児になってしまう原因について知っておきましょう。


妊娠高血圧症候群

妊娠後期になりやすい、赤ちゃんとお母さんにも危ない病気

妊娠高血圧症候群は、妊娠20週以降、産後12週までに高血圧を発症した場合を言い、高血圧のみの場合と、高血圧にたんぱく尿を認める場合があります。特に妊娠後期に起こりやすいのが特徴。この病気になると、子宮や胎盤に流れる血液の量が減少し、胎盤の働きが悪くなってしまいます。すると、酸素や栄養が届きにくくなり、赤ちゃんの発育にも影響が出て早産や低出生体重児で生まれることにつながります。


妊娠中の喫煙・飲酒

赤ちゃんに酸素や栄養が届くのをさまたげる

煙草を吸うと、ニコチンの影響で血管の収縮が起きます。すると、お腹の赤ちゃんとお母さんを結ぶ胎盤を流れる血液の量が減るため、赤ちゃんに十分な酸素や栄養が届かなくなります。胎盤がボロボロになり、赤ちゃんが順調に育たなくなってしまい、低出生体重児になるのです。

同様に、妊娠中にアルコールを摂取すると、赤ちゃんに発育障害を起こしやすく、低出生体重児や早産につながります。


過度なダイエット

太り過ぎと同様に痩せすぎも注意

妊婦生活で気を遣うのが体重管理。太り過ぎると妊娠高血圧症候群にかかりやすくなります。そのほか、お産が大変になるといったデメリットがあるため、先生はよく注意しているのです。

しかし、痩せ型の妊婦さんが出産に必要な体重まで増やせなかったり、一般の妊婦さんが体重管理を気にして、過度なダイエットをしてしまうケースも出てきました。この場合、赤ちゃんにまで栄養が届かず、生まれた赤ちゃんが低出生体重児になってしまう可能性があります。妊娠中は太りすぎず痩せすぎず、適切な体重維持を心がけてくださいね。


歯周病

歯周病も低出生体重児の原因に 妊娠中のケアはしっかりと

歯周病は歯肉が炎症を起こし、徐々に周りの組織を破壊していく病気です。ありふれた病気で、成人の75%が多少なりとも歯周病にかかっていると言われているほど。

歯周病が低出生体重児に繋がってしまうのは、歯周病組織が作る「炎症物質」が原因です。この炎症物質が血液内に入りこみ、やがて子宮の収縮を促進させてしまうのです。すると、早産になってしまい、生まれてくる子が低体重児になるというわけです。

多くの背景にはストレスがある

隠れているストレスを見つけよう

生まれた子どもが低出生体重児になってしまう理由をいくつか紹介しました。妊娠高血圧症候群は、高血圧の素因を持った人や遺伝的な素因を持っている人が、なりやすいと言われていますが、過度なストレスで体に負荷が掛かって発症することも。

飲酒、喫煙も、どこかにストレスが隠れているから「飲まずにはいられない」「吸わずにはいられない」という状況になっているのかもしれません。

また、ストレスがあるだけで、母体のホルモンが変化し、赤ちゃんにスムーズな栄養と酸素の運搬が難しくなります。

健康的な赤ちゃんを産むためには、ストレスを溜めない生活を送りましょう。自分ができるストレス解消法で行き詰まりを感じているなら、ちょっとした旅行をしてみては?妊婦さんのために考えられた旅行プランの一部を紹介します。

このページの監修医師について
成城松村クリニック 院長 松村圭子 先生
松村圭子 先生 写真

日本産科婦人科学会専門医/専門分野 婦人科
広島大学附属病院等の勤務を経て2010年に「成城松村クリニック」を開院。日本産科婦人科学会に専門医として所属。さまざまな悩みや不安を抱える女性をサポートするため、講演、執筆、TV出演など幅広く活躍中。

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