安定期に旅行しても大丈夫?
このページの監修について
妊婦さんに正しい知識を持って安全な旅行を楽しんで頂くため、婦人科の専門医である成城松村クリニック院長 松村圭子先生に監修して頂いています。
妊娠中の旅行としてはベストな時期!ただし、お医者さんと相談しましょう
妊娠16~27週(5~7ヶ月)の妊娠中期は胎盤が完成し、つわりが治まる人も多く、一般的には「安定期」と言われています。体調が落ち着き、もっともトラブルが起きる可能性が低い時期であり、夫婦2人っきりでの最後の旅行をするのに適していると言えます。
ただし、妊娠中に100%安全なことはありません。かかりつけのお医者さんとしっかり相談し、旅行のリスクについて知識を得た上で計画を立ててくださいね。
安定期の旅行で気をつけたいことは?
安定期の旅行でとにかく気を付けるべきことは、「無理をしない」こと。妊娠中は疲れやすく、トイレも近くなりがちのため、こまめに休憩を取ることを心がけましょう。長時間の移動は、たとえ車や電車であっても負担が掛かります。気圧の関係もあるため、飛行機を使うのはさけるのが無難です。
また、旅行先に「かかりつけではない妊婦」を救急で診てくれる産婦人科があるのかも確認しておきましょう。健康保険証や母子手帳も忘れずに。
宿は、妊婦さんを歓迎するプランがあるところを選ぶと、妊娠中の旅行という不慣れなお客さんに対しても細やかな配慮をしてくれるため、おすすめです。
旅行に持っていくべきものを考える
普段とは異なる、妊娠中の旅行。必ず持っていくべきものを紹介します。
- 母子手帳
必需品です。万が一、旅行先で病院のお世話になった場合、病院側は母子手帳の内容を把握することで、適切な処置を施すことができます。
- 健康保険証
旅行先で持参していなかったため、実費で支払うはめに…。ということを避けるためにも、母子手帳と健康保険証はセットで携帯しておきましょう。
- 検査結果のコピー
妊婦健診で受けた結果は、コピーをしてあらかじめ母子手帳と一緒に持っておくと◎。どの検査を受けていて、どのような結果が出ているのか、旅行先の病院に知らせることができます。
妊婦さんに特化した宿を見つける
妊婦さんの体調も安定して、夫婦二人の思い出作りにもってこいの安定期ですが、旅行計画を立てる場合、まずお医者さんに相談しましょう。許可が出たら、移動距離はなるべく短い観光地を選び、遊び回るというよりも、ゆったりと過ごすことを心がける旅行にするようスケジュールを組んでください。
妊婦であることを気まずく思うならば、「マタニティプラン」という妊婦さん歓迎のプランを用意している宿もあります。貸し切り風呂や、料理、アメニティに配慮されていて、普通の宿を選ぶよりも安心して旅行を楽しめます。
妊婦さんにとって良い移動手段を考える
妊婦さんの身体は疲れやすいもの。そのため、移動時間が長くなる遠出は禁物。また、移動手段も体調中心で考えましょう。車での移動をするメリットは、周りを気にせずに横になれること。車を使うならば、1~2時間に1回は休憩を挟み、エコノミークラス症候群を予防してください。くれぐれも、妊婦さん自身が長時間運転をすることはないように。
電車や新幹線、飛行機は、何事もなければ時間通りに発着するため、スケジュールが立てやすいというメリットがあります。ただ、乗り換えの移動や、荷物の持ち運び、人混みに疲れてしまう可能性があります。
高速バスやツアーバスは、妊婦さんにとってリラックスできる環境とは言い難い交通手段。なるべくなら控えましょう。
安定期の旅行は、どんなプランがおススメ?
ゆったりとしたプランを立てよう
安定期の旅行とはいえ、お腹のなかには成長中の赤ちゃんがいることを忘れてはいけません。お母さんの体調も普段とは異なり疲れやすく、何が起きるか分かりません。
旅行の計画を立てるなら、万が一のことまで考え、旅行先の病院を調べておく・人混みを避ける・スケジュールは時間に余裕を持つ・こまめに休憩を挟み、体に負担が掛からないものにしましょう。
自然が多く落ち着いた環境で、日頃の疲れや妊娠中のストレスをほぐしてくれるようなプランがおすすめです。
成城松村クリニック 院長 松村圭子 先生
日本産科婦人科学会専門医/専門分野 婦人科
広島大学附属病院等の勤務を経て2010年に「成城松村クリニック」を開院。日本産科婦人科学会に専門医として所属。さまざまな悩みや不安を抱える女性をサポートするため、講演、執筆、TV出演など幅広く活躍中。