妊娠中に外食しても良い?

妊娠中は、自分の身体の栄養や、お腹の赤ちゃんの影響を考えると、外食はしても大丈夫かな?と思うこともあるでしょう。基本的に外食は問題ありませんが、週に何回もファストフードを食べるような食生活はダメ。栄養バランスをしっかりと考えてください。

妊娠中に食べても良い食べ物・控えたい食べ物は?

妊婦さんが積極的に摂取したい食べ物は、ビタミン、ミネラル、タンパク質、食物繊維、赤ちゃんの成長に関わる鉄分、葉酸が豊富に含まれているもの。

反対に、うなぎやレバーなど動物性ビタミンAを多く含む食品や、加熱不十分な肉やナチュラルチーズなどの殺菌されていない乳製品は、トキソプラズマやリステリアといった感染症の原因になる可能性があるため注意が必要です。


野菜・果物

いちご

野菜や果物はビタミン、ミネラルが豊富。そのため積極的に食べてほしい食材です。妊娠中は便秘しがちのため、食物繊維も不足しないように、しっかりとっておきましょう。

ただし、果物は、糖分が多かったり、柿やスイカなど体を冷やす作用がある果物もあるので、食べ過ぎには注意しましょう。

  • 緑黄色野菜、果物全般

ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富です。特に、果物や緑黄色野菜に含まれるビタミンCは、鉄分の吸収をアップしてくれるので、赤ちゃんに栄養を届ける量がふえる妊婦さんは貧血になりやすいので積極的に摂りましょう。

  • ほうれん草、ブロッコリー、モロヘイヤ、アスパラガス、イチゴなど

上記の食材は葉酸が豊富に含まれています。葉酸は細胞の増殖に欠かせないビタミンB群のひとつ。赤ちゃんの先天性疾患である神経管閉鎖障害の発症リスクを減らす報告があるため、厚生労働省も摂取を推奨しています。赤ちゃんの器官形成のためにも、積極的に摂取したい栄養素です。

  • 大根

ビタミンCが豊富に含まれているので、免疫力を高め風邪予防にも効果が期待できます。消化酵素を含んでいるため胸焼けや胃もたれを防いでくれる効果も。水分が抜け栄養素が凝縮された切り干し大根はおすすめです。少量で鉄分、葉酸、食物繊維などたくさんの栄養素が摂れます。

  • わかめ

わかめなどの海藻類は、エネルギー代謝に必要なミネラルと食物繊維がたっぷり。そのうえ低カロリーです。煮物やパスタ、サラダなどに加えると手軽に摂れますね。ただ、過剰摂取すると甲状腺の異常を引き起こすとされていますが、バケツ一杯食べても摂取量は超えないので日常的に食べても問題ありません。

  • 小松菜

鉄分が多く含まれています。野菜の中でも豊富に含まれていて、お腹の赤ちゃんに栄養を届けるためたくさんの血液が必要な妊婦さんの貧血予防にもなります。また、積極的に摂りたい葉酸、カルシウム、ビタミンなど妊娠中に欠かせない栄養素も豊富です。

  • さつまいも、りんご

妊娠中は便秘になりがち。さつまいもやりんごなどの食物繊維が豊富な野菜や果物を摂取し、腸内環境を整えましょう。

OKメニュー

  • ほうれん草入り卵焼き
  • かぼちゃと枝豆のハムサラダ
  • 小松菜と厚揚げの煮びたし
  • じゃがいものグラタン
  • キャベツと鶏肉のクリーム煮

NGメニュー

  • 生野菜のサラダ

基本的に野菜は積極的に食べてほしい食材ですが、生野菜の食べ過ぎは体を冷やしたり、土壌に生息しているトキソプラズマ菌が付着している可能性も。よく水洗いするか温野菜にするなどのひと工夫を。

  • フルーツの盛り合わせ

果物も栄養豊富で取り入れたい食材です。しかし、食べ過ぎると体の冷えにつながったり、糖分の過剰摂取になってしまいがちです。尿蛋白や足のむくみなどに繋がることもあるのでバランスよく取り入れましょう。


お肉・お魚

お肉

肉や魚などに含まれるのは、主にたんぱく質。たんぱく質は、体の様々な組織を作るのに欠かせない栄養素です。また、鉄分と結びついてヘモグロビンを作り、鉄分の吸収を助けます。

  • 牛肉

よく加熱したうえで食べましょう。レアステーキや、ユッケ、牛レバ刺しなどの生肉の刺身は、トキソプラズマ症の可能性が。そのため避けた方が安心です。

  • 豚肉

よく加熱したうえで食べましょう。海外では生ハムからのトキソプラズマ症感染の事例もあるため、生ハムは避けたほうが無難です。

  • 鶏肉

よく加熱したうえで食べましょう。トキソプラズマのほか、カンピロバクターによる食中毒の可能性もあるため、鳥刺しなど、生の状態で食べるのは避けましょう。

  • 魚やエビ

鮮魚類にはトキソプラズマの心配はありません。しかし、食中毒の危険性があることは忘れないように。妊婦中は免疫力が下がり食中毒になると重症化するため、刺身は控えたほうが無難でしょう。

また、まぐろ類と金目鯛はメチル水銀が含まれているため、胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。毎日食べるのは避け、多くとも週1回程度に抑えておきましょう。量を制限するならば、良質なたんぱく質と、DHAやEPAといった不飽和脂肪酸が豊富に含まれているので、体にとって嬉しい栄養素を摂取できます。

  • 貝類

よく加熱をしたうえで食べましょう。生牡蠣は、当たったりノロウィルスなどを含んでいる場合もあり、とても危険ですので食べないでください。また、貝類として身近なあさりは、加熱が不十分だと、リステリア菌による食中毒になる可能性があります。しかし、十分に加熱すれば、貝は鉄分を豊富に含んでいるため、貧血の予防になります。

  • うなぎ、レバー

うなぎやレバーには動物性ビタミンAが多く含まれています。このビタミンAは体の免疫力を高めてくれる効果がありますが、継続的に多量摂取してしまうと、先天性異常のリスクが高まり胎児に影響する可能性が。特に妊娠初期は控えましょう。4か月以降なら、たまに食べるのは問題ありません。

OKメニュー

  • グリーンアスパラと豚肉の巻き焼き
  • ハンバーグ
  • 生姜焼き
  • ハッシュドポーク
  • あさりのスープ
  • ポトフ

NGメニュー

  • ユッケ
  • レバー
  • レアステーキ
  • 生牡蠣
  • 生ハム
  • スモークサーモン
  • うなぎ
  • まぐろ、金目鯛

※肉類、魚類、貝類は、基本的にしっかり加熱したうえで食べましょう。


豆類・きのこ

きのこ

きのこ類はミネラルと食物繊維が豊富に含まれており、積極的に食べても大丈夫。また、豆類は鉄分が豊富で、良質なたんぱく質としてもピッタリな食材です。消化もよく、肉類、魚類よりもヘルシーなため、気にせず食べることができます。

  • 大豆製品

豆腐や枝豆、納豆などの大豆製品は、たんぱく質やビタミンなど様々な栄養素が含まれているため妊婦さんにおすすめです。しかしながら、大豆に含まれるイソフラボンは女性ホルモンに似た働きを持っているので、過剰摂取すると乳がん発症リスクが上がったり、ホルモンバランスが乱れたりします。適量をバランス良く食べましょう。

  • レンズ豆

他の豆と異なり、水に戻す手間がない豆です。スープなどに入れて手軽に食べることができます。

  • 小豆

タンパク質のほかに、ビタミン、カリウム、マグネシウム、鉄、葉酸が豊富。茹でたら更にカロリーが低くなり、脂質もほとんどないため、太りにくい食材だといえます。また、小豆に含まれる成分にはむくみにも効果があります。

  • きのこ類(しいたけ、エリンギ、まいたけ、えのき)

低カロリーで食物繊維が豊富。便秘解消に嬉しい効果があります。きのこに含まれているビタミンDは、カルシウムを一緒に摂取すると、吸収率を上げるため、カルシウム不足を防げます。

OKメニュー

  • ポークビーンズ
  • 呉汁
  • 煮豆
  • 豆類のスープ
  • きのこのスープ
  • 茹で小豆
  • きのこの煮物
  • きのこ雑炊
  • 炊き込みご飯

NGメニュー

  • 大豆製品

納豆や豆乳の過剰摂取は控えてください。豆乳ならば1日に2杯、納豆ならば1日2パックが上限の目安です。

  • きのこ類

食物繊維が豊富で便秘解消に役立つきのこ類ですが、食べ過ぎると消化不良を起こしたり、生で食べるとトキソプラズマ症になる危険も。生で食べるのはぜったいやめましょう。


お菓子

フルーツゼリー

小腹が空いた時につまみたいお菓子。空腹を感じると、お菓子ならつわりで辛くても大丈夫という人もいます。食べ過ぎると体重増加や妊娠高血圧症、妊娠糖尿病といった合併症が心配されますが、食事で不足しがちな栄養を補う意味でのお菓子や間食はおすすめです。

  • ナッツ類

ビタミンや食物繊維、不飽和脂肪酸が豊富で、栄養満点。ただ、脂肪分が多いので、食べ過ぎには注意。キャラメルや砂糖をかけたものではなく、素焼きのものを選びましょう。

  • ドライフルーツ

栄養価が高く、噛む回数が多いため、満腹感と満足感があります。食べ過ぎると糖分のとり過ぎになるので注意してください。

  • ゼリー

カロリーが低く、腹持ちも良いお菓子です。フルーツが入っているものならば、ビタミンを摂取でき、満足感も。こんにゃくタイプのゼリーならば、便秘解消にも効果があります。

  • ラクトアイス

乳脂肪分が含まれていないアイスで、カロリーは低め。しかし、植物性脂肪分や添加物が入っているので、アイスを選ぶならば、アイスクリームかアイスミルクにしましょう。

  • チョコ

ビターなどのカカオ含有量が多いチョコは、妊娠高血圧症のリスクを減少させる効果があると言われており、お菓子におすすめです。ただ、カフェインが含まれているので、摂取量には気を付けましょう。

OKメニュー

  • ドライフルーツ
  • ナッツ類
  • ヨーグルト
  • ゼリー
  • おからクッキー
  • アイスクリーム
  • ミルク寒天

NGメニュー

  • スナック菓子

口あたりが軽く、サクサク食べ進んでしまうスナック菓子ですが、塩分が多いため、むくみを引き起こしやすくなります。カロリーも総じて高いので、体重が増えやすく、合併症になる可能性も上がります。

  • ドーナツやケーキなどの糖分の多いお菓子

甘いお菓子はストレス発散にもなりますよね。たまに食べる程度なら問題ありません。しかし食べ過ぎは、肥満から糖尿病になることや、余計な脂肪がつくと子宮口が開きにくくなって難産につながることも。


飲み物

お茶

妊娠中に気を付けるべき飲み物は、主にカフェインが含まれているものです。お腹の赤ちゃんはカフェインを分解するのに大人の約20倍の時間がかかると言われています。そのため、過剰に飲むのは控えましょう。アルコール飲料は赤ちゃんへの影響が大きいため、禁酒です。

  • コーヒー

1日に2~3杯程度の常識の範囲内ならば問題ありません。カフェインが気になる、たくさん飲みたい場合には、カフェインレスコーヒーをおすすめします。

  • 日本茶、紅茶

日本茶や紅茶には、コーヒー同様、カフェインが含まれています。煎茶のカフェイン量はコーヒーのおよそ3分の1、紅茶ならば半分程度ですが、気になるならば控えておきましょう。

  • 麦茶、ハーブティ

麦茶やハーブティはカフェインが入っていないため、妊娠中でも安心して飲むことができます。とくに麦茶はミネラルも豊富でおすすめです。

  • アルコール飲料

妊娠中のアルコールは、おすすめできません。アルコールは胎盤を通してお腹の赤ちゃんに届き、流産、早産、死産、胎児性アルコール症候群という発育障害につながります。具体的な量としては、ビールならば大瓶3本以上、日本酒なら3合以上、ワインはグラス3杯以上を毎日飲みつづけた場合は、確実に影響がでます。妊娠中のストレスから酒量が増える可能性もあるため、お腹の赤ちゃんのためにも禁酒しましょう。

OKメニュー

  • 麦茶
  • ハーブティ
  • 適量のコーヒー、日本茶、紅茶

NGメニュー

  • アルコール類
  • 過剰量のコーヒー、日本茶、紅茶
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