ママのストレスは生まれてくる赤ちゃんにも影響します

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このページの監修について
妊婦さんに正しい知識を持って安全な旅行を楽しんで頂くため、婦人科の専門医である成城松村クリニック院長 松村圭子先生に監修して頂いています。

妊娠中のお母さんは、ホルモンバランスが崩れて体調不良になりやすく、生活環境もがらりと変わり、ストレスが溜まりやすいもの。そのストレス、お腹の赤ちゃんに影響があるかもしれません。できるだけ上手に解消しましょう。


ストレスによる胎児への悪影響

体重の減少

ストレスはお腹の赤ちゃんにとって百害あって一利なし

生まれたときの体重が2500g未満の赤ちゃんを低出生体重児と呼びます。ほぼ同じ意味で「未熟児」という言葉もしばしば使われます。

低出生体重児が産まれる原因として、妊娠中の飲酒、喫煙や過度なダイエット、高齢出産、妊娠高血圧症候群、歯周病などがあります。その他にも、海外のデータではストレスが影響してくるとも。

ストレスとは、一種の緊張状態。母体がずっと緊張しているなかで、お腹の赤ちゃんがのびのびと育ちません。ただ、考え過ぎるとそれ自体がストレスになってしまいます。できるだけポジティブに受け取って、ストレスと向き合うことが大切です。

低体重児が産まれてしまう原因は?

アレルギーリスクの増加

喘息やアレルギー

妊娠中は身体や環境の変化、感受性の変化により、ストレスを受けやすいということはよく知られています。ちょっとしたストレスならいいのですが、我慢できないレベルのストレスを長時間受けている状態になると、母体は様々なホルモンを分泌するようになります。

例えば、アドレナリンやコルチゾールなど。コルチゾールの慢性的な分泌で、赤ちゃんの胎動や心拍数が減るというデータがあります。また、妊娠中の過度なストレスは、喘息やアトピーなどのアレルギー疾患になりやすくなる、とも考えられています。

アレルギーの増加リスクは?

情緒障害を起こしやすくなる

母体のストレスは、心の障害にもつながる

「情緒障害」とは、知能の低さ以外に原因する、児童の適応障害全般のこと。神経症、自閉症、引っ込み思案などの社会行動障害、非行なども含まれます。典型的なものが、自閉症(幼児自閉症)、登校拒否、チック、かん緘黙症(無言症)など。明確な医学的定義はありませんが、一般的には外部の刺激によって動揺しやすく、不安定な精神状態を指します。

一説には、不安や恐怖を感じ、母体がストレスを強く抱いていると分泌される「カテコールアミン」というホルモンが関係していると言われています。このホルモンは、不安や恐怖を感じた時に出るもの。カテコールアミンが胎盤を通して胎児に伝わると、赤ちゃんも常にストレス状態になってしまい、情緒障害を引き起こしやすくなると言われています。ストレスは、子どもの人格にも影響を与えてしまう可能性があるのです。

神経系の発達が遅れる可能性がある

母体のストレスは、ダイレクトに赤ちゃんに伝わる

妊婦がストレスを受けると、ストレスホルモンの一種「コルチゾール」が分泌されます。コルチゾールが慢性的に放出され続けた場合、未熟な胎盤はコルチゾールをブロックできず、ダイレクトに胎児に伝わってしまいます。胎児のコルチゾールが増えると、胎動や心拍数が減るだけでなく、神経系の発達にも影響すると考えられています。

ストレスを受けにくい環境を作ることが大事

リフレッシュをして日ごろの疲れを癒そう

妊娠中にストレスを抱え続けていると、自分だけでなくお腹の赤ちゃんにも具体的な形となって悪影響を与えてしまうことが分かっていただけたでしょうか。だからこそ妊婦であるお母さんは、ストレスを上手に解消しなければなりません。

落ち着けない環境であればそこから離れる、仕事や家事は余裕の範囲内、そうやって自分で調節し、安定期なら思い切ってちょっとした旅行に行き、リフレッシュに専念するのはいかがでしょうか。

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このページの監修医師について
成城松村クリニック 院長 松村圭子 先生
松村圭子 先生 写真

日本産科婦人科学会専門医/専門分野 婦人科
広島大学附属病院等の勤務を経て2010年に「成城松村クリニック」を開院。日本産科婦人科学会に専門医として所属。さまざまな悩みや不安を抱える女性をサポートするため、講演、執筆、TV出演など幅広く活躍中。

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