どんなトラブルがあるの?
妊婦さんの身体は、妊娠前の身体に比べて、トラブルが発生しやすくなっています。妊婦さんで旅行に行くのは「安定期」がほとんどだと思いますが、安定期というのはあくまで『初期流産の危険がなくなった』『ホルモンの状態が安定した』状態にすぎません。妊娠中のデリケートなコンディションは続いています。
安定期だから大丈夫、体調が安定した、とは思わないようにしましょう。
トラブル&解決方法
頻尿
頻尿の原因は?
妊娠中は、お腹の赤ちゃんのため、お母さんの体内でつくられる血液量は増加します。そうすると、血液が腎臓でろ過される時、「原尿」という尿の元の量も増加するので、頻尿が起こりやすくなることも。また、ホルモンの影響で、膀胱の粘膜が敏感になります。赤ちゃんが成長するにつれ、子宮のすぐ前にある膀胱が圧迫され、さらに頻尿になってしまうのです。妊婦さんの多くが経験するトラブルです。
頻尿の解決方法
頻尿だからといって、尿意を我慢すると膀胱炎になることも。予防する意味も兼ねて、こまめにトイレに行くことが理想です。あらかじめ旅先では、どこにトイレがあるかを確認しておき、山奥などのトイレがない場所は気をつけましょう。移動中も、車や電車を使っているのなら、無理をせずトイレ休憩を。新幹線はトイレが付いているので安心ですね。
車酔い
妊娠中は乗り物酔いしやすい
妊娠中、特に妊娠初期は、ホルモンバランスが安定していません。そのため自律神経も乱れがち。リンパ液の循環も乱れ、三半規管の平衡感覚がずれて、吐き気が出ると言われています。そうでなくとも、妊娠初期はつわりの影響で、車のニオイ、食べ物の匂い、振動などに対して敏感に反応してしまい、吐き気を感じることもあります。
乗り物酔いの解決方法
旅行中の乗り物酔いを防止する方法として、酔い止めを飲むことが手っ取り早いですが、市販の薬を飲むのには少し抵抗を感じますよね。薬を飲む場合は、医師に処方してもらうか相談すると安心です。自分で気をつけられる方法は、まずは体調を整えること。旅行前日からしっかり睡眠をとっておきましょう。乗車時間が長ければ、移動中に仮眠をとるのもおすすめです。また、空腹や満腹状態も吐き気を感じやすくなるので、ガムや飴を用意してもいいでしょう。空腹対策になりますし、ガムを噛むと三半規管が麻痺することを予防できます。
階段
階段の上り下りはしても良いの?
妊娠中は激しい運動は控えるように言われます。階段の上り下りも息切れがするほどのペースや多い段数と激しい運動にあたりますが、慎重に行えば問題ありません。ただ、妊娠中はめまいや貧血が起きやすく、上っている最中にふらっと力が抜ける危険性も。手すりにしっかり掴まり踏ん張れるよう足元に気を配りましょう。傾斜が急な階段は特に注意してください。
急な動悸・息切れ
原因
妊娠中は体を循環する血液の量が増えるため、心臓の負担も通常時より大きくなります。また、大きくなった子宮が横隔膜を押し上げて心臓を圧迫し、赤ちゃんが成長するにつれて息苦しさが増していきます。さらに、血液の量が増えれば赤血球の量も足りなくなることも。鉄分不足による貧血が発生、その結果、動機や息切れが頻発するようになるのです。
解決方法
歩いて移動している時に動悸や息切れになったら、まずは立ち止まって、ゆっくりと深呼吸。これだけでラクになります。お腹が圧迫されていることが原因ですので、横になると呼吸がスムーズになる場合も。横になって休憩できるなら、体の左側を下にすると、大きな血管を圧迫しないので、より効果的です。
また、換気も重要です。車に乗っている時に息苦しさを感じるならば、こまめに窓を開けて空気の入れ替えをしてください。
お腹の張り
お腹の張りの原因は?
「お腹の張り」とは、子宮が収縮するために起こる、お腹の緊張感のこと。その多くが疲れた時や、赤ちゃんが元気にお腹の中で動く時に発生します。旅行中にお腹が張るなら、長時間立ちっぱなしだったり、歩きっぱなしだったり、同じ姿勢で過ごしたりしたことだと考えられます。また、イライラしたり、身体が冷えたりする時も、お腹が張ってしまう可能性が。
お腹の張りの解決方法
一番の解決方法は、安静にして休むことです。立っていた時にお腹の張りを感じたならば、座りましょう。できることなら横になってリラックス。20~30分くらいで張りが収まるはずです。電車内で張ったら、次の駅で降りてホームのベンチで休むなど、余裕を持った時間の使い方で移動しましょう。出歩く時も、あらかじめ休憩できる場所を探しておいたり、持ち運びできる簡易椅子を用意したりすると、妊婦さんの負担が減ります。
無理せずリラックスするには?
旅行というのは、日頃のストレスを解消する目的で行くものです。けれど、その道中では、何かと妊娠中の身体の刺激になるストレスがいっぱい。いかに負担を掛けず、旅行を楽しむかがポイントになります。
本格的な長距離移動は、それだけで負担になり、お腹が張る可能性もあるため、おすすめできません。せいぜい2~3時間以内の移動時間で行ける場所にしましょう。
また、現地でもアクティブに活動することは控えましょう。体を動かすことが好きな人にとっては不満かもしれませんが、自分が想像する100分の1くらいのアクティブさが、余裕を感じ、リラックスできる旅行になります。
このページでは、関東圏内から2~3時間以内で行けて、なおかつ妊婦さんがリラックスできる旅行プランを紹介しています。