妊娠中のストレスはママの身体に影響が…

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このページの監修について
妊婦さんに正しい知識を持って安全な旅行を楽しんで頂くため、婦人科の専門医である成城松村クリニック院長 松村圭子先生に監修して頂いています。

妊娠中はホルモンバランスの変化、環境の変化、つわりなどでの体力の消耗で、想像以上に負担が掛かります。特に初産であれば、不安も大きいでしょう。うつうつとしたストレスを抱え続けていると、母体に沢山の悪影響が与えられる可能性があり、お母さんだけでなく赤ちゃんにとっても危険です。


ストレスが母体に与える主な影響

切迫流産・早産の原因に

「切迫流産」とは、妊娠22週未満の時期に、出血やお腹の張り、痛みの症状があり、流産が差し迫っている状態です。「早産」は、妊娠22週から36週までの分娩をいいます。切迫流産は、すぐに治療すれば流産を止めることが可能です。早産で生まれた赤ちゃんは、週数が短いほど体重が少なく臓器が未熟で、育てるための管理が容易ではありません。

切迫流産、早産、どちらの原因も様々な要因が考えられ一概には言えません。母親側の原因のひとつとして、動きすぎ、働きすぎからストレスが溜まり、子宮収縮が起きると言われています。

妊娠高血圧症候群

妊娠高血圧症候群とは妊婦の合併症で、妊娠20週以降、産後12週までに高血圧を発症した場合を言い、高血圧のみの場合と、高血圧にたんぱく尿を認める場合があります。従来は妊娠中毒症(むくみ、たんぱく尿、高血圧)と言われていましたが、現在の呼び方に改称され、定義も見直されました。

この病気に掛かると、子宮や胎盤を流れる血液の量が減少し、胎盤の働きが悪くなります。すると、胎児の発育にも影響を及ぼし、早産、子宮内胎児死亡、未熟児、死産などにつながることがあります。

また、意識喪失と痙攣が突然発生する子癇、肺水腫、常位胎盤早期剥離、脳出血など、お母さんの生命に関わる症状が引き起こされることもあります。

妊娠高血圧症候群の原因の1つもストレス

妊娠高血圧症候群のハッキリとした原因は、様々な学説があるため分かっていません。ただ、妊娠が終了すると治ることが多いので、妊娠という負担に対して妊婦の身体が上手く適応できず、発症すると考えられています。一説には、「赤ちゃんへの酸素・栄養の供給不足による弊害」も原因のひとつとされています。過度なストレスを抱え込むと身体への負担が大きくなり、交感神経の緊張が続き、発症することも十分考えられます。予防策としては、減塩、低カロリー、バランスのよい食事を心がけ、ストレスのない規則正しい生活を送ることが重要です。


赤ちゃんにストレスが影響する可能性が

妊婦さんのストレスによって、赤ちゃんに栄養がいきわたらなくなることが、一番の懸念点です。

ストレスを感じると、赤ちゃんよりも母体を優先して酸素・栄養運搬を行うので、赤ちゃんに十分な酸素や栄養が行き渡らず、発育を阻害してしまうからです。

ただ、心配し過ぎるとそれ自体がストレスになってしまう可能性も。妊娠中のストレスはつきものだと考えて、向き合っていくことが大切。トラブルを少なくするためにも、ストレスのない規則正しい生活を送ることが重要です。


だからこそ、ストレスを感じない工夫を

ストレスが、お母さんやお腹の赤ちゃんにとっていかに良くないものか、簡単にご紹介しました。たかがストレス、と思わないでください。自分の頭では「大丈夫」と思っていても、体にとっては十分すぎるほどの負担なのですから。

なるべくストレスを感じない生活の工夫として、バランスのとれた食事、甘いもの・しょっぱいものは控える、睡眠はしっかりとる、適度な運動も効果的です。ちょっとした旅行など、いつもと違う環境に身を置いて、リフレッシュするのもおすすめです。

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このページの監修医師について
成城松村クリニック 院長 松村圭子 先生
松村圭子 先生 写真

日本産科婦人科学会専門医/専門分野 婦人科
広島大学附属病院等の勤務を経て2010年に「成城松村クリニック」を開院。日本産科婦人科学会に専門医として所属。さまざまな悩みや不安を抱える女性をサポートするため、講演、執筆、TV出演など幅広く活躍中。

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